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2024-03-18 10:00:00

蚤の話

前回のブログでは、宿題を積極的に取り組めない生徒の話をしました。

そういう生徒によくする話があるので、今回はそれをご紹介します。

 

こんな話です。

 

 

 

Aくん、蚤(ノミ)って知ってる?

小さくて犬とか猫にくっついて血を吸う生き物。見たことある?

大きさは5㎜くらいだから、よく見ないとなかなか見つけられないかもね。

 

 

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さて、その蚤なんだけど、どのくらいジャンプするか知ってる?

だいたい50㎝くらいジャンプできるんだって。

 

これって、かなりすごいことなんだよ。

だって人間に例えると、Aくんの身長だったら150mくらいジャンプするのと同じなんだよ。ものすごいジャンプ力じゃなない?

 

そんなすごいジャンプ力を持ってる蚤くんに、ちょっと意地悪をしちゃいます。

実験だからね。

 

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蚤くんに透明なコップをひっくり返してかぶせてみます。

どうなると思う?

 

 

蚤くんはこれまで通りにジャンプするね。そうすると、どうなる?

コップの底に頭をぶつけるね。

蚤くんは自分がコップを被せられてるなんて分からないから、ジャンプする度に、何度も何度も頭をぶつけるね。ちょっとかわいそうだけど、しばらくこのままにしておきます。

 

 

だいぶ時間がたって、先生もこのままにしておくのはかわいそうだと思ったので、被せていたコップを取ってあげたの?

 

 

♪ジャジャン♪

ここで、問題です!

さて、この蚤くん、どうなったでしょうか?

 

 

やったー! コップがなくなったから、前と同じようにのびのびジャンプした。

というのは、ブッブー! 間違いです!

なんと蚤くんは、コップの底までの高さしか跳ばなくなったんだ。

どうして跳ばなくなったのかな?

 

 

かわいそうに蚤くんは、ジャンプする度に何度も何度もコップの底に頭をぶつけたから、もう高くは跳べないんだと思って跳ばなくなったんだ。

 

跳べるのに、跳ばなくなってしまった。

このままの状態にしていると、跳ぶための力が衰えて、本当に跳べなくなっちゃうみたいよ。

 

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さて、先生がなんで蚤の話なんかしたと思う?

 

・・・

 

 

 

宿題をあまりやってこない生徒や、授業を一生懸命に受けない生徒には、こんな風に話をしています。

蚤くんと同じように、「自分にはできない」「これ以上無理」という考え方をしていることに、気づいてもらうために話しています。

 

 

勉強が苦手だったり(苦手と思い込んでいる)、これまでに勉強のことで嫌な思いをしたり(それを理由にして勉強ができないと思い込んでいる、もしくはそれを勉強しない言い訳にして勉強から逃げている)、子どもたちは様々なことを抱えています。

 

 

でも、どこかで自分の殻を破って「えいっ!」って思い切ってジャンプしてみなければ、状況は変わりません。

 

 

このままだと学ぶ力が弱まって、いざ学ぼうと思っても学べなくなってしまうから、そうならないように今からがんばろう、一生懸命に取り組もうということも伝えます。

 

 

Aくんなら、絶対にできるよ! だってAくんは、この蚤くんとは違うでしょう。

だからできる。一生懸命に勉強すれば、必ず成績も上がるよ!

と、言葉を掛けています。

 

 

子どもの心に、どうやってやる気の火を灯すのか? 

これは永遠の課題ですね。

子ども一人ひとり琴線が違うので、色々なアプローチを試しながら子どもたちをサポートしています。