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どうして勉強するの? (2)
前回のブログでは、勉強する理由についていくつか挙げてみましたが、私が気に入っている話があるのでご紹介します。
それは映画「男はつらいよ」(第40作「寅次郎サラダ記念日」より)で、主人公の寅さん(俳優:渥美清さん)が言っていたセリフです。寅さんはもういい年ですが、定職を持たず気ままに全国を旅して物売り(テキヤ)をしながら生活しています。中学を中退し学歴はありませんが、これまでの苦労の多かった人生によって、人情に厚く、義理堅く、また様々な人生の知恵を身につけています。
そんな寅さんが、妹さくらの息子で高校生の満男(俳優:吉岡秀隆さん)の質問に答えるシーンがあります。
満男: おじさん、質問してもいいか?
寅さん:あんまり難しいことは聞くなよ。
満男: 大学に行くのは何のためかな?
寅さん:決まってるでしょう、それは勉強するためですよ。
満男: じゃあ、何のために勉強するのかな?
寅さん:うーん? (少し不機嫌そうに)そういう難しいことを聞くなって言ったろ!(少し間があって)つまりー、あれだよ、ほら。
人間長い間生きてりゃ、色々なことにぶつかるだろう。そんなとき、俺みてぇ勉強していない奴は、振ったサイコロで出た目で決めるとか、その時の気分で決めるよりしょうがない。ところが勉強した奴は、自分の頭できちんと筋道を立てて、はて、こういうときはどうしたらいいかなと、考えることができるんだ。だからみんな大学に行くんじゃないか。
上手ですね。勉強した人としていない人の違いが、子どもにもわかりやすく説明されています。さすがは山田洋次(監督・脚本)さん!!
お子さんに「どうして勉強するの?」と聞かれたら、ぜひこれを使ってみてください!
どうして勉強するの? (1)
「どうして勉強するの?」
お子さんからそんな質問をされたらどのように答えますか?
お子さんに聞かれたことがある方もいるかもしれませんね。
先日の保護者面談で、小学生のお子さんがいる保護者の方から「どう答えるのが良かったのでしょう?」とお話がありました。
その方は、買い物する時にお金の計算ができたり、ニュースがわかったり、説明書を読んで理解できたり…、勉強すると生活の中で役立つことがたくさんあるというお話をされたそうです。
どんなことをお子さんに話すかは、お子さんの年齢やその時の状況によって違ってきますね。正解、不正解はないので、お子さんに合わせてお話するのがいいと思います。
「この先、困難に出合った時、勉強で培った思考力や解決力は必ず役立つから、その力をつけるために今勉強する必要があるんだよ」
「将来大きくなって、やりたいことが見つかったとき、それまでちゃんと勉強していると、そのやりたいことに向かって進みやすくなるけれど、ちゃんと勉強していないと、やりたいことに向かう前に、自分には無理かもって諦める可能性が高くなっちゃう。だから勉強しておいた方がいいんだよ。」
「これからは色々なことがどんどん変わる時代になるから、勉強を続けていくことが必要になるんだ。大人になってもちゃんと勉強する人は、自分が勉強したことを使って、周りの人を助けたり、社会をよくしたりすることができるよね。多くの人から必要とされて、たくさんの人の役に立てて、感謝されるなんてステキじゃない」
「勉強することで、身の周りや世の中、社会のことをもっと知ることができる。すると、それまで気がつかなかったことや、見過ごしていたことが見えてきて、人生が楽しくなる。勉強して広く深く知ることで、物事の見え方やそれに対する考え方がそれまでとは全く異なって、刺激のある充実した人生になるんじゃないかなあ」
そこで次回は、おすすめのアドバイスをご紹介します。
➡➡➡➡➡ 「どうして勉強するの?(2)」
手を抜かない! 最後までやり切る!
勉強は人と競争してすることではない
保護者面談などで、保護者の方から「うちの子、競争心がないからダメなんですかね~」とお話を聞くことがあります。
全然、ダメなことではありません。
むしろ競争しない方がいいと思っています。
勉強って、誰かと競争してするものでしょうか?
うちの塾で生徒に言っていることは、
①勉強は自己満足でやる!!
②競うのは他人でなく過去の自分!!
中学生には、だいたいこの2つのことですね。
「自己満足」というのは、
「今日はめちゃめちゃ集中して勉強できた!」
「昨日よりも2ページ多く進められた!」
こういうことから得られる「満足感」や「充実感」「達成感」のことです。
勉強ではこうした日々のくり返しが大切で(勉強だけではなくスポーツなどでも)、この積み重ねが「自己効力感」や「自己肯定感」へとつながっていきます。


