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2023-08-22 09:00:00

「読書の森」の本『字のないはがき』のご紹介

 字のないはがき 表紙画像.jpg

 

「読書の森」の授業で使用している書籍の紹介です。

 

今日は向田邦子さん原作の『字のないはがき』(小学館)をご紹介します。

向田邦子さんはテレビやラジオの脚本家として活躍されました。『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』などの脚本を手掛け、ホームドラマの名手と言われました。

その後、小説家となり、短編『花の名前』『かわうそ』『犬小屋』直木賞を受賞します。

しかし、1981822日に旅行先の台湾で飛行機事故に遭い、51歳の若さ亡くなりました。向田さんが亡くなって、今日でちょうど42年になります。

 

『字のない葉書』は『眠る盃』に収められている短編で、向田邦子さんの戦時中の実話です。現在千葉市の中学2年生が使用している国語の教科書(光村図書)にも掲載されています。

 

今日ご紹介する本は、向田邦子さんの原作を角田光代(著)と西加奈子(イラスト)によって、年齢が低い子どもにも分かりやすいように絵本化したものです。

 

第2次世界大戦中、まだ文字の書けない一番下の娘(向田さんの妹)さんが、疎開するときのお話です。向田さんのお父さんが、毎日1枚ずつ元気な時には大きな〇を書いて送るようにと、多くの葉書を娘さんに持たせました。疎開先から送られてくる葉書の大きな〇は、すぐに小さな〇になり、やがて×に変わり、ついに×の葉書さえも届かなくなって・・・。

 

家族が離れ離れにならざるを得なかった戦争の悲しみや辛さ、お父さんが娘を思う気持ちや家族愛について、子どもにもわかりやすい文体で表現されています。西さんのイラストにもしみじみします。

 

8月は戦争に関する様々な出来事があった月です。

ぜひご家族で読んでいただきたい作品です。