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松本清張さんの徳川家康
NHKの今年の大河ドラマは「どうする家康」です。人気のある松本潤さんが主演なので、例年に比べて若い人や女性もご覧になっている割合が多いのではないでしょうか。
次回、11月12日(日)の放送では、いよいよ「関ヶ原の戦い」が描かれ、ドラマも最高潮に達するところです。
さて、YouYouスクールあすみが丘では、子どもたちに本の面白さや大切さを知ってもらう機会を増やすため、「読書の森」という授業をおこなっています。
その読書の森の課題図書に、松本清張さんが書いた『徳川家康』(講談社火の鳥文庫)があります。
子ども向けの本としては長編で、300ページ以上あります。
松本清張さんは1953年に『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞後、『点と線』『砂の器』など数々の作品を世に送り出し、松本清張ブームが起こりました。没後30年経つ今でも、多くのファンがいます。
推理小説家としてして知られている松本清張さんですが、実は歴史にも深い造詣があり、歴史関連の作品も遺されています。
この講談社火の鳥文庫に収められている『徳川家康』は1955年の出版で、清張さんの初期の作品です。
子ども向けの本もいくつか書いていたようですが、私が知っている限りでは、現在でも読める形で出版されているものは、この『徳川家康』しかありません。
そういう意味では、とても貴重な本です。
巻末の松本清張さん本人の解説には、次のように書いてあります。
「この本は、徳川家康とはどんな人物か、どんなことをしたか、ということを、少年・少女諸君のためにわかりやすく書いた。」
「この本では、家康の一生をかきながら、その時代のできごと、その周囲の人物など、できるだけ興味深くかいたつもりである。」
300ページを超える大作は、大人でも読み応えがある作品です。
この秋は、「松本潤さんの徳川家康」と、「松本清張さんの徳川家康」、どちらも楽しんでみてはいかがでしょうか?