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冬期講習で子どもたちに教えた百人一首 (1)
今日は冬期講習中に、小学高学年が関心を持った内容について共有させていただきます。
小学高学年の授業では、「小倉百人一首」の暗唱や、和歌の意味について解説をする時間がありました。
意外にも、多くの子どもたちがその解説の内容に興味・関心を示してくれました。
「小倉百人一首」は、鎌倉時代の初めに、藤原定家によってまとめられたものです。
年代順に並んでいることをふまえて、一番歌から暗唱していきました。
また、歌の意味に作者や時代背景のエピソードを加えて理解を深めていきました。
エピソードというのは、次のようなことです。
二番歌について。
二番歌
春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山 持統天皇
ニ番歌作者 持統天皇(第41代天皇)は、一番歌作者 天智天皇(第38代天皇)の皇女(天皇の娘)で、共に飛鳥時代の天皇です。
飛鳥時代には世界最古の木造建築「法隆寺」が建立されたこと。
また、法隆寺と言えば正岡子規の俳句「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」も皆で確認しました。
次は、三番歌の枕詞について。
三番歌
あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む 柿本人麻呂
「枕詞」とは、和歌に使われる技法で、特定の言葉の前に置かれ、その言葉の意味を引き立てる役割を果たしています。
「あしびきの」は「山」の枕詞です。そのため「山崎さん」という名前は、枕詞のきまりだと「あしびきの山崎さん」になります。
なんて話をすると、教室内に3名の「山﨑さん」がいたので、大盛り上がり!
その後、皆に「あしびきの山崎さん」と呼ばれていました。
百人一首をただ覚えるのではなく、このように解説を加えてあげると子どもたちは思いの外、興味を持ってくれます。
百人一首は小学生の子どもたちにとって、学校の授業や成績には直接関係しません。
日本人の教養として、子どもたちには身につけてほしいと考えています。
次回も続きます。