ブログ

2024-01-12 10:00:00

冬期講習で子どもたちに教えた百人一首 (1)

 25733772_m.jpg

 

 

 

今日は冬期講習中に、小学高学年が関心を持った内容について共有させていただきます。

小学高学年の授業では、「小倉百人一首」の暗唱や、和歌の意味について解説をする時間がありました。

意外にも、多くの子どもたちがその解説の内容に興味・関心を示してくれました。

 

 

 

「小倉百人一首」は、鎌倉時代の初めに、藤原定家によってまとめられたものです。

年代順に並んでいることをふまえて、一番歌から暗唱していきました。

また、歌の意味に作者や時代背景のエピソードを加えて理解を深めていきました。

 

 

 

エピソードというのは、次のようなことです。

二番歌について。

 

 

二番歌   

春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山    持統天皇 

 

 

 

ニ番歌作者 持統天皇(第41代天皇)は、一番歌作者 天智天皇(第38代天皇)の皇女(天皇の娘)で、共に飛鳥時代の天皇です。

飛鳥時代には世界最古の木造建築「法隆寺」が建立されたこと。

また、法隆寺と言えば正岡子規の俳句「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」も皆で確認しました。

 

 

 

 

次は、三番歌の枕詞について。

 

 

三番歌

あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む    柿本人麻呂

 

 

 

「枕詞」とは、和歌に使われる技法で、特定の言葉の前に置かれ、その言葉の意味を引き立てる役割を果たしています。

「あしびきの」は「山」の枕詞です。そのため「山崎さん」という名前は、枕詞のきまりだと「あしびきの山崎さん」になります。

なんて話をすると、教室内に3名の「山﨑さん」がいたので、大盛り上がり!

その後、皆に「あしびきの山崎さん」と呼ばれていました。

 

 

 

百人一首をただ覚えるのではなく、このように解説を加えてあげると子どもたちは思いの外、興味を持ってくれます。

百人一首は小学生の子どもたちにとって、学校の授業や成績には直接関係しません。

日本人の教養として、子どもたちには身につけてほしいと考えています。

 

 

次回も続きます。