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数とト・モ・ダ・チになる(3)
数とト・モ・ダ・チになる(2)の続きです。(1)(2)を読んでいない方は、先にお読みください。
計算力がつき数と友だちになってくると、数の性質もだんだんと身についてきます。数の性質とは、その数が持っている特徴です。例えば36の場合、36がどんな数でわり切れるか(約数)、どんな数の積で表せるか(約数同士の積⇒1×36、2×18、3×12、4×9、6×6)、また2つ以上の数について同時に考える場合は、両方(すべて)の数に共通する性質は何か(偶数・奇数、公約数、最大公約数、公倍数、最小公倍数など)ということが、自然に見えてくるようになります。これが、数に対するセンスになります。
計算では、36×25 は 9×(4×25)=9×100 = 900のように筆算をせず、暗算で瞬時に工夫して求められるようになります。分数を小数に直す(5/8=0.625)、分数の約分する(36/54=2/3)、異分母同士の分数を通分する(5/12と7/15の通分は25/60と28/60)など、こうした計算も素早く正確にできるようになります。
そして、小学生のうちに数と友だちになると、中学の数学もつまずくことはありません。
先ほど例に挙げた36×25 は62×52=(6×5)2=302=900のように累乗の計算に変形することもできます。また、X2-10X-56=(X+4)(X-14)のように因数分解の数や文字の組み合わせを瞬時に見つけられたりするなど、数や式をスムーズに変形する能力や感覚が養われてきます。
こうした、数に対するセンスは、算数、数学を学んでいく上でとても大きな武器になります。
数と友だちになっていないと、このような式の変形にかなりの時間がかかり、学習進度が遅くなってしまいます。
小学低学年で習う計算の習熟度が、やがて中学の数学にも影響を及ぼしてくるので、できるだけ早く習熟度を高めていきたいと考えています。
数とト・モ・ダ・チになる(4)へ続く。
公立・私立中高 個別進学相談会 スクールフェア2023
今年も進学イベント「スクールフェア」が開催されます。
千葉県内でおこなわれる今年最後の進学イベントです。まだ志望校が決まっていない受験生や、どの学校を志望するか迷っている受験生は必ず参加しましょう!
日時・・・10月1日(日) 11:00~16:30
会場・・・神田外語大学
参加される場合は、事前にWEBサイトよりお申し込みが必要です!
詳細につきましては、下記のスクールフェア2023の案内をご覧ください。
スクールフェア2023 リーフレット.pdf (1.04MB)
数とト・モ・ダ・チになる(2)
数とト・モ・ダ・チになる(1)の続きです。(1)を読んでいない方は、先にお読みください。
算数では数を扱います。数式を立てたり、計算したり、数の性質を使いこなしたりして問題を解きます。それにもかかわらず、生徒の多くは、“数と友だち”になっていません。サッカーボールと友だちになっていない子どもが、自分の意志通りにボールをコントロールできないように、数と友だちになっていない子は、算数の勉強も思い通りに進められません。
では、数と友だちになるとはどういうことでしょうか。漫画の<シーン1>では、サッカーボールと友だちになっている翼くんのボールさばきの様子が描かれていますが、数と友だちになったかどうかは計算力を見ればわかります。
高学年になると、桁数の多いかけ算やわり算を習いますが、計算力がないと、間違いの多さやスピードの遅さが目立ちます。桁数の多い計算をパーツに分解してみると、5+8や14-6、7×6=42、23÷8=2…7のような、小学3年生までに習った計算で成り立っていることがわかります。小数の計算も、計算の進め方は整数の計算と同じですので、計算力不足の根本は、小学低学年までの熟達度の低さにあります。特にくり上がるたし算、くり下がるひき算、あまりのあるわり算の計算を苦手にしている生徒が多くなっています。
計算は「速く」「正確に」計算できることが大切です。速さについては、8+4のような計算を1秒以内でできるスピードです。しかがって、100ます計算では100秒以内(1分40秒以内)を目指します。計算が速い生徒は1分15秒くらいでできるようになります。速くできても間違いが多くては意味がありませんので、正確さも計算力の大事な要素です。100ます計算では、1問1点で100点(満点)を合格点とします。
数とト・モ・ダ・チになる(3)へ続く。
数とト・モ・ダ・チになる(1)
100ます計算に取り組まなくなってだいぶ年数が経ちました。最近では生徒の計算力の低下がとても気になるようになってきました。計算力の無さは、算数の学力に直結します。
計算間違いが多い、計算が遅い ⇒ 計算練習が嫌い ⇒ ますます計算間違いをする、計算も遅いまま ⇒ 計算が苦手 ⇒ 算数がさらに嫌い
というわかりやすい図式の中にはまっている生徒が近頃は増えてきました。
そのため小学4年生~6年生の授業で、100ます計算を復活することにしました。
皆さんは「キャプテン翼」(小学生編、作者:高橋陽一、集英社、1981年~88年)というサッカーの漫画をご存じでしょうか。お母さん方はよく知らないかもしれませんが、当時の小・中学生男子に大きな影響を与えた漫画です。私はドンピシャの世代で、影響を受けたうちの一人で、朝から晩までボールを蹴っていました。「キャプテン翼」は、元日本代表の中田英寿さんや元フランス代表のジダン選手、アルゼンチン代表のメッシ選手もこの漫画のファンであることを公言するなど、世界中の人に影響を与えている日本が誇る漫画です。
さて、この「キャプテン翼 小学生編」の中に、とても有名なシーンがあります。主人公の大空翼くんが1人で相手チームの選手をドリブルで抜いていく<シーン1>です(第1巻65ページ)。 その翼くんのボールさばきを見ていたブラジルナショナルチームに所属するロベルト本郷が「この少年… あの年齢でもう サッカーボールと ト・モ・ダ・チに なっている‼」と呟くシーンがあります。
<シーン1>です(第1巻65ページ)
その後も、ロベルト本郷が子どもたちにサッカーを教える<シーン2>でも、サッカーボールと友だちになる話が出てきます(第1巻135~136ページ)。
ロベルトはサッカーが上手になるには、まず“ボールと友だち”になることが大切だと言っています。
<シーン2>(第1巻135~136ページ)
算数もまったく同じです。算数では数を扱います。数式を立てたり、計算したり、数の性質を使いこなしたりして問題を解きます。それにもかかわらず、生徒の多くは、“数と友だち”になっていません。サッカーボールと友だちになっていない子どもが、自分の意志通りにボールをコントロールできないように、数と友だちになっていない子は、算数の勉強も思い通りに進められません。
数とト・モ・ダ・チになる(2)へ続く。
鉛筆の音が心地いい
You-Youスクールあすみが丘は、少人数制の個別指導学習塾です。生徒はわからないところや初めて学ぶところを、先生に聞きに来ます。
授業中、教室内は生徒と先生のやり取りの声が、あちらこちらで聞こえてきます。
ところが授業中に数回、先生に質問に来る生徒が誰もいない時間帯が訪れます。すると、室内は生徒が鉛筆を走らせる音とBGMのクラシック音楽しか聞こえてきません。
私は、この時間がとても好きです。鉛筆を走らせる音は、生徒が一生懸命に考え、思考を深めている証だからです。そしてその時間、その空間がとても心地よいのです。教室内の全員が集中して勉強している空間は、何か特別な波動が出ているのかもしれませんね。