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【今日の寺子屋】 小学2年生 分数は難しい(2)
前回は、はじめて分数を学ぶ小学2年生の授業をお伝えしました。
分数というのは、1つのものをいくつかに等分したうちのいくつ分かを表す数です。
はじめは、できるだけ身近なものを同じ大きさに分けることで、分数に慣れることが大切です。
子どもの好きなもの、ピザやりんごなど目で見てわかりやすいものを等分するといいでしょう。
もう少し手軽に、子ども自身が何度も分けられる色紙や紙テープなどを使って、等分する感覚を身につけましょう。
小学2年生では、1/2、1/3、1/4など、分子が1(1つ分)になる分数を扱います。
今日はその続きです。
1/2や1/3の意味を理解した子どもたちは、今度は目の前にある数量を1/2の大きさにしたり、1/3の大きさにします。
この学習のポイントは、同じ数ずつ分けることです。
子どもたちは次のような問題にチャレンジします。
「・・・・・・」(6このドット)
「6この1/2の大きさはなんこでしょう。」
子どもは、あまり時間をかけずに1/2の大きさに分けることができます。
でも「15このドットを1/3の大きさにする」などのように、
少し多い数を1/3にするとなると、苦戦する子が増えてきます。
テキストに書いてあるドットを分けるのが難しい場合には、
小さなブロックや積み木を15個用意して、
自分の手で操作しながら1/3の大きさに分けていきます。
子どもが分からないからといってすぐに教えてしまうのではなく、
少しの時間でも「ああでもない、こうでもない」と、
考えさせることが大切です。
この1/2や1/3の大きさにする考えは、やがて3年生で学ぶ「わり算」の素地を作る学習でもあります。
また次回に続きます。
【今日の寺子屋】 小学2年生 分数は難しい(1)
小学2年生で、初めて分数を習います。
教科書にはこのように載っています。
「もとの大きさを同じように2つに分けた1つ分を、もとの大きさの二分の一といい、1/2とかきます。」
大人が読めば、それ以外に的確な説明は思いつきません。
しかし、分数を学ぶのは2年生です。
かけ算くくをようやく覚えたばかりの子どもたちです。
簡単に理解できることではありません。
分数の単元は、はじめは多くの生徒の頭の中が???でいっぱいになります。
難しい内容ですが、学習は最初に習う時が最も大事でなので、教える方もていねいに説明します。
この単元は時間をかけて教えるべき内容です。
習い始めに間違った考えを身につけてしまうと、それがずっと続いてしまい、後で修正するのが大変になります。
高学年になると分数が苦手な生徒が増えてきますが、もとを辿っていくと、2年生や3年生で学んだ分数の理解が不十分なことに原因があるように思います。
小学2年生の教科書では、分数の単元はわずか6ページしかありませんが、You-Youスクールでは、時間をかけてていねいに教えます。
分数の単元は、テキストだけではなかなか理解できないので、生徒の前で紙やテープをハサミで切って1/2にして見せます。
片方を大きく、もう片方を小さく切って、この分け方では1/2にはならないことを説明します。
更に「1/2にする」ことと「半分にする」が同じ意味で使われることにも触れます。
次は生徒に紙とハサミを渡して、生徒にも1/2を作ってもらいます。自分で作ってみることで、子どもの理解は深まります。
こうして、生徒と1対1でやり取りしながら、生徒の頭の中の?を1つ1つ無くしていきます。
ほとんどの場合、ここまでで、1こまの授業が終わってしまいます。
子どもたちがはじめて出合う概念を理解していく過程は、近くで見ていて何とも楽しいものです。
次回に続きます。
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松本清張さんの徳川家康
NHKの今年の大河ドラマは「どうする家康」です。人気のある松本潤さんが主演なので、例年に比べて若い人や女性もご覧になっている割合が多いのではないでしょうか。
次回、11月12日(日)の放送では、いよいよ「関ヶ原の戦い」が描かれ、ドラマも最高潮に達するところです。
さて、YouYouスクールあすみが丘では、子どもたちに本の面白さや大切さを知ってもらう機会を増やすため、「読書の森」という授業をおこなっています。
その読書の森の課題図書に、松本清張さんが書いた『徳川家康』(講談社火の鳥文庫)があります。
子ども向けの本としては長編で、300ページ以上あります。
松本清張さんは1953年に『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞後、『点と線』『砂の器』など数々の作品を世に送り出し、松本清張ブームが起こりました。没後30年経つ今でも、多くのファンがいます。
推理小説家としてして知られている松本清張さんですが、実は歴史にも深い造詣があり、歴史関連の作品も遺されています。
この講談社火の鳥文庫に収められている『徳川家康』は1955年の出版で、清張さんの初期の作品です。
子ども向けの本もいくつか書いていたようですが、私が知っている限りでは、現在でも読める形で出版されているものは、この『徳川家康』しかありません。
そういう意味では、とても貴重な本です。
巻末の松本清張さん本人の解説には、次のように書いてあります。
「この本は、徳川家康とはどんな人物か、どんなことをしたか、ということを、少年・少女諸君のためにわかりやすく書いた。」
「この本では、家康の一生をかきながら、その時代のできごと、その周囲の人物など、できるだけ興味深くかいたつもりである。」
300ページを超える大作は、大人でも読み応えがある作品です。
この秋は、「松本潤さんの徳川家康」と、「松本清張さんの徳川家康」、どちらも楽しんでみてはいかがでしょうか?